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不動産投資の初期費用はいくら?項目の内訳や安く抑える方法を解説

安定した収入を確保するために不動産投資を始めてみたいけれど、初期費用をどれくらい用意すればいいのか分からず、お悩みではありませんか。投資には複数の費用を準備する必要があるため、内訳やおおよその額を把握することが大切です。事前に確認することで、費用面の心配なく投資を始められるでしょう。
この記事では、不動産投資にかかる初期費用の目安と項目の内訳を紹介します。初期費用の算出をイメージできるシミュレーション、費用を抑える方法まで解説するので、投資に興味を持っている方はぜひご覧ください。
不動産投資の初期費用とは?
不動産投資を始める際は、物件購入にかかる費用のほか、初期費用も必要です。ここでは、初期費用とは何か、どれくらいかかるのかを解説します。
不動産投資の初期費用の構造
不動産投資の初期費用は、物件購入にかかる頭金とそのほかの諸費用から構成されています。具体的な項目とそれぞれにかかる目安を見てみましょう。
- 頭金:購入する物件費用の約10%
- 仲介手数料:不動産会社によって異なる(上限あり)
- 登録免許税:課税標準額×税率から算出
- 司法書士報酬:10~15万円程度
- 不動産取得税:課税標準額×税率から算出
- 印紙税:5,000円~。物件価格に応じて異なる
- 融資事務手数料:物件購入の融資金額の1~3%
- 融資保証料:融資額の1〜2%程度
- 損害保険料:物件と保険期間に応じて異なる
- 固定資産税・都市計画税:課税標準額×税率から算出
最も高額な頭金のほかに、9つの諸費用を用意する必要があります。それぞれの項目の詳細は、後ほど解説しましょう。
「目安」は物件価格の10%〜15%が基本
不動産投資にかかる初期費用の目安は、物件価格の10~15%が基本です。ただし、購入する物件によって目安が変化するため、どの物件にどれくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。物件別の目安は以下の通りです。
- 新築・中古の戸建て:10~15%
- アパート・マンション:10~20%
戸建てと集合住宅で、目安の上限が異なります。たとえば、新築の戸建て・マンションをそれぞれ5,000万円で購入したとしましょう。戸建ては500~750万円、マンションは500~1,000万円の初期費用がかかります。
初期費用の相場は、購入する物件によって大きく変わるため、一般的な相場だけでは把握しきれない面もあります。しかし、購入を希望している物件の価格がわかれば、金額から初期費用の目安を算出することが可能です。後ほど初期費用の具体的な計算シミュレーションを紹介するので、そちらを参考に算出してみてください。
不動産投資にかかる初期費用10項目

不動産投資には複数の初期費用がかかるため、始める前に具体的な内訳を確認することがおすすめです。ここでは、投資前に知っておきたい初期費用10項目について、丁寧に解説していきます。
頭金
頭金とは、物件購入額からローンの借入金額を差し引いたお金のことです。頭金を用意すれば、借入額が少なくなるため、ローン審査に通る確率を上げられます。一般的に、物件価格の10~20%の頭金を用意することが推奨されています。
3,000万円の物件なら300~600万円、5,000万円なら500~1,000万円という風に、物件価格に応じて用意しましょう。頭金を多くすれば借入額が少なくなるため、返済負担を和らげられるメリットも得られます。
仲介手数料
仲介手数料とは、物件の売買を仲介してくれた不動産会社に支払う報酬です。手数料は物件費用×料率から算出できるため、物件費用がわかったら事前に計算してみましょう。料率は以下のように定められています。

引用:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
計算する際に注意したいのが、金額によって、乗じる税率が段階的に変化することです。たとえば、1000万円の物件を購入した場合の計算は、200万円×5.5%+200万円×4.4%+(1,000万円-400万円)×3.3%=39.6万円となります。
上記の税率は、法で定められた上限です。上限の範囲内であれば、不動産会社が自由に税率を定められるため、仲介してくれる会社によって手数料が変わると考えておきましょう。
登録免許税
登録免許税とは、物件購入における登記に課せられる税金です。物件の所有権の登記は、新築と中古で異なります。新築の場合は所有権の保存、中古の場合は移転です。保存と移転で乗じる税率が異なるため、注意しましょう。

引用:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
物件の固定資産税評価額に、新築は0.4%、中古は2%を乗じて算出します。さらに、物件をローンで購入する際には、抵当権の設定も必要です。抵当権の設定にも登録免許税が課せられ、借入金額の0.4%を支払わなければなりません。
司法書士報酬
不動産登記を司法書士に任せる場合は、報酬を用意する必要があります。物件購入にはさまざまな登記手続きを行わなければなりません。自身で手続きを進めることも可能ですが、時間がなく対応できない場合は、プロである司法書士に任せることがおすすめです。
司法書士への依頼料は、10~15万円が相場です。依頼先によって費用が変わるため、複数の司法書士から見積もりをもらい、比較してから決めるといいでしょう。
不動産取得税
不動産取得税とは、土地や住宅などの不動産を取得した人すべてに課せられる税金です。税額は、不動産の固定資産税評価額(課税標準額×税率から算出します。税率は4%と定められていますが、2025年11月現在は軽減税率として3%が適用されています。
不動産取得税には、税負担を抑えるための特例措置も用意されているため、事前に確認することが重要です。特例措置の適用には条件を満たす必要があるので、あわせてチェックしておきましょう。
印紙税
印紙税とは、国が定める課税文書に課される税金です。不動産売買の契約書は課税文書に該当するため、契約書に購入した印紙を貼り付ける必要があります。印紙の購入費用は以下の通りです。

引用:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
物件金額に応じて印紙代も変わるため、購入費用をきちんと把握したうえで購入することが大切です。印紙は郵便局・法務局・コンビニなどで購入できます。
融資事務手数料
融資事務手数料は、物件購入のローンにかかる費用です。手数料の計算は融資金額×1~3%となっており、パーセンテージは金融機関によって異なります。金融機関のホームページから定める税率を確認できるので、申し込み前に確認することが大切です。
融資保証料
物件購入のローンを組む際には、保証会社に保証料を支払うことが一般的です。高額のローンは長期にわたって返済するため、ときには返済ができない月もあるでしょう。そんなときに返済金を立て替えてくれるのが保証会社です。
保証料は、一括で支払う、または返済に金利を上乗せするのどちらかから支払い方法を選べます。一括で支払う場合は借り入れ額の約2%、金利を上乗せする場合は0.2~0.3%の利息を上乗せした金額を毎月返済することになります。
損害保険料(火災保険料・地震保険料)
物件購入の際にローンなどで資金を借り入れる場合、多くの金融機関では債権を保全する目的から、火災保険への加入を融資条件としています(地震保険は任意とされるケースも少なくありません)。
保険料の目安は、物件に応じて異なります。自然災害時の損害が大きくなることが予想される木造は高額ですが、コンクリートや鉄筋で造られた物件は保険料が安くなります。
固定資産税・都市計画税の精算
1月1日時点で物件を所有している人には、固定資産税と都市計画税が課せられます。どちらも不動産所有者に課せられる納税義務なので、どれくらいかかるかを計算しておきましょう。
固定資産税は固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は固定資産税評価額の0.3%が上限です。ただし、税率は自治体(市区町村)によって異なるため、物件のある地域の税率を確認したうえで計算することが大切です。
初期費用シミュレーション
不動産投資に必要な初期費用の内訳を確認したら、具体的な費用をつかめるシミュレーションを見ていきましょう。ここでは、2000万円の中古マンションのシミュレーションを紹介します。
2,000万円の中古ワンルームマンション
単身者向けの2,000万円の中古ワンルームマンションに投資するケースをシミュレーションしてみましょう。不動産投資にかかる初期費用は以下の通りです。
- 頭金:200~400万円
- 仲介手数料:72.6万円
- 登録免許税:28万円+抵当権登記6.4~7.2万円
- 司法書士報酬:10~15万円程度
- 不動産取得税:42万円
- 印紙税:1万円
- 融資事務手数料:16~54万円
- 融資保証料:17.6~19.8万円
- 固定資産税・都市計画税:19.6万円+4.2万円
火災保険・地震保険料は、物件の構造や保険期間に応じて変わるため、こちらには含めていません。固定資産税評価額は購入額の70%、いずれも、上限が定められる項目については上限の数字で算出しています。保険料を除く中古マンションにかかる初期費用は、417.4~663.4万円となります。
不動産投資の初期費用を安く抑える5つの方法
不動産投資の初期費用は、少なくとも数百万円はかかるため、多めに用意する必要があります。すぐに数百万円の費用を用意することが難しい方は、初期費用を安く抑える方法を実践しましょう。ここで費用を抑える5つの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
仲介手数料を抑える
仲介手数料を抑えるために、売主物件を選ぶ、または手数料の交渉を行うことがおすすめです。売主物件は不動産会社が所有する物件なので、仲介手数料が発生しません。初期費用の1つの項目をすべて削減できるため、物件費用によっては大幅に節約できるでしょう。
仲介手数料が発生する場合は、交渉することで費用を抑えられる可能性があります。特に、物件価格が高額であるほど交渉しやすくなるため、不動産会社の担当者に相談してみてください。必ずしも交渉が成立するとはいえませんが、成功すれば初期費用を抑えることが可能です。
ローン関連費用を抑える
初期費用に含まれるローン関連費用を抑えることも、節約のポイントです。融資にかかる事務手数料や保証会社に支払う保証料は、金融機関によって異なります。不動産投資ローンを取り扱う3社の費用を見てみましょう。
| 金融機関名 | 事務手数料 | 保証料 |
| セゾンファンデックス | 1.65%以内 | – |
| オリックス銀行 | 2.20%以内 | 不要 |
| SMBC信託銀行 | 2.2% | 不要 |
このように、金融機関によって手数料や保証料の有無が異なるため、複数の金融機関を比較することが大切です。いくつかの金融機関を見比べれば、最も手数料を抑えられるところにローンを申し込めるでしょう。
保険を再検討する
物件に必須の各種保険内容を見直してみましょう。多くの金融機関ではローン利用の条件として火災保険の加入が求められ、実務上はほぼ必須です。内容をしっかり確認すると、不要な特約や高額な保険料などが見つかるかもしれません。
保険を再検討する際は、複数の保険会社から見積もりをもらいましょう。見積もりがそろったらそれぞれの内容と保険料を比較し、万が一の際に十分な補償を受けられ、保険料も無理なく払えるところを見つけてください。
登記を自分で行う
司法書士に任せず、自身で登記手続きを行うことで報酬部分をすべてカットできます。登記手続きは、自身で行うことも可能です。登記手続きの流れを見てみましょう。
- 売買契約書を用意する
- 登記申請書を作成する
- 売主の印鑑証明書や買主の住民票などを用意する
- 登録免許税を支払う
- 登記申請書と添付書類を提出する
- 登記内容の審査完了後、登記完了証を受け取る
登録免許税は、金融機関や税務署で納付したうえで、その領収書(または収入印紙を貼付した書類)と登記申請書一式を法務局に提出します。書類の提出方法は、窓口のほか、オンライン・郵送にも対応しているため、都合のいい方法を選びましょう。
「諸費用ローン」を活用する
初期費用の用意が難しい場合は、諸費用ローンを活用することがおすすめです。諸費用ローンとは、住宅購入にかかる諸費用を対象としたローンです。ある程度の費用を用意できていなくても、ローンを組めれば住宅を購入できます。投資を始める際、まとまった資金を用意する必要がない点は大きなメリットだといえるでしょう。
その一方で、金利設定が高いデメリットもあります。住宅ローンよりも金利設定を高くしているところが多いため、支払い負担が大きくなる恐れがあると考えておきましょう。
初期費用以外で必要になるコスト
不動産投資は初期費用だけでは行えません。物件購入後も何らかの費用が発生し続けるため、投資後のランニングコストや想定外の出費についても理解しておきましょう。ここでは、投資開始後に必要となる費用について解説します。
ランニングコスト(管理費、税金など)
多くの人が魅力を感じる物件を維持するために、ランニングコストが発生すると考えておきましょう。ランニングコストには以下のような項目があります。
- 管理費
- 修繕費
- 点検費
- 清掃費用
- 共用部の光熱費
- 固定資産税や所得税などの各種税金
不動産運営にかかる費用のほか、固定資産税や所得税などの各種税金も発生するため、ある程度の資金を用意したうえで投資を始めることがおすすめです。不動産の運営費を削ることは難しいですが、各種税金のなかには節税可能なものもあるため、税理士に相談しておきましょう。
想定外の出費(リフォーム費用・空室対策費用)
通常の不動産運営費のほか、想定外の出費が発生する可能性もあります。定期的にではなく、状況に応じて発生する出費項目は以下の通りです。
- リフォーム費用
- 広告費用
- 空室による損失
リフォーム費用は、入居者が退去した後に発生する費用です。入居者が故意に傷つけたり、汚したりした部分に関しては、入居者に費用を請求できます。しかし、通常の使用範囲における汚れや経年劣化については、オーナーが負担しなければなりません。
広告費用は、物件に空きが出た際に発生します。空室が長期的に続くと家賃収入が減少し、その分を埋めるために広告費の増額や条件見直しなど、追加のコストが発生する可能性があります。定期的に発生する費用ではないものの、想定外の出費への備えを用意することが大切です。
【まとめ】初期費用を知り、賢く不動産投資を始めよう
不動産投資の初期費用は、購入する物件の約15~30%です。頭金のほかに、ローン関連費用や登録免許税などがかかり、登記手続きをお任せする場合は司法書士報酬も発生します。購入する物件によっては、まとまった資金を用意しておかなければなりません。
投資物件購入後もランニングコストがかかることを考え、初期費用を抑える方法を実践することがおすすめです。初期費用を抑えれば、浮いた分は運用後の資金に回せます。急な出費に慌てることなく対応できるため、ここで紹介した方法を参考に、投資を始めてみてください。


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