【税理士監修】美容室・理容室の開業手続きまとめ

開業までには、店舗設計や資金繰りを含め、やらなくてはならないことが盛りだくさん。
今回の記事は、美容室・理容室の開業をされる際に必要な届出や手続きをスムーズに行うための解説です!

ひとつずつチェックをして、スムーズに開業へ向けて準備をしていきましょう

Contents

開業までの流れ

まずは、開業までの全体感をみていきましょう!

出店準備

・コンセプト設計

・物件選び

・内外装施工業者の選定と依頼

・導入機器や備品の購入

↓ ↓ ↓

出店の目途が立ったら

・届出の申請(本記事で説明します)

・開業融資の申込

・美容師やアシスタントを雇用する

↓ ↓ ↓

出店まえにやること

・材料の仕入れ

・広告宣伝活動

・予約システムの申込

・レジの導入

・BGM

全体的な順序としては、上記のようなイメージです。

それでは、必須なる届出を確認していきましょう!

①消防署への相談届出

まずは消防署への相談と届出です。
時期としては、店舗設計段階です。

店舗設計の内装業者さんの方で、必要になる書類を代行してくれるところもあるようなので、是非相談をしてみましょう。

店舗等の出店や入居の際、建物又はその部分を使用しようとする方は、使用を開始する日の7日前までに、防火対象物使用開始届出書の届け出が必要となります。(横浜市の場合はこちら

届出 要因
防火対象物使用開始届出書 店舗等の出店や入居の際、建物又はその部分を使用しようとする場合
防火対象物工事等計画届出書 店舗等の修繕、模様替え、間仕切り変更等の行為をする場合

開業場所のビルを管轄する消防署や、ビルを借りる場合は、オーナーや管理会社、内装施工会社等と相談しながら漏れがないように手続きを進めましょう。

②保健所(保健福祉事務所)への事前相談と届出

美容室・理容室を開業するときは、店舗を構える予定の管轄の保健所または、保険福祉事務所で営業許可を取らないと開業をすることができません。(神奈川県の場合)

必須事項ですので、確実に行ないましょう。

まずは保健所に相談を

届出の前に保健所(保険福祉事務所)へ相談に行きましょう。
その時期としては、工事着工前です!

美容室・理容室の構造・設備などが法律や条例の基準に適合しているかどうかの確認を取る為には、工事着工前の事前相談が必要です。

店舗の内外装の図面が出来たら、まずは相談にいきましょう。

作業面積、面積に対するセット面の数量、待合、床・腰張り、洗髪場、洗い場、消毒設備・機器、収納、照明、換気など細部にわたり必須となる事項があります。

相談に行く管轄がどこになるかは、各都道府県などのサイトで確認することができます(神奈川県の保健所・保健福祉事務所

届出の時期は

開業の1週間~2週間程前までに開設に必要な関係書類を管轄の保健所(保健福祉事務所)に提出します。

すぐに受理される訳ではなく、届出後に保健所の検査を受ける必要がありますので、注意。

開業前は、何かと時間に追われるものです。
きちんと事前にスケジュールを立て、開業へ向けてしっかりと準備をしていきましょう。

届出に必要な書類は?

必要になるものは下記の通りです。

  • 美容所(理容所)開設届(管轄のサイトで入手できます)
  • 構造及び設備の概要
  • 美容所(理容所)の平面図
  • 美容師(理容師)の免許証(写し)
  • 美容師(理容師)についての伝染性疾病の有無に関する医師の診断書(発行3ヶ月以内のもの)
  • 申請者が法人の場合は、登記事項証明書(発行6ヶ月以内の原本)
  • 管理美容師(理容師)をおく場合は、管理美容師(理容師)であることを証する書類
  • 従業者名簿(従業員を雇用する場合)
  • 開設検査手数料(地域によって異なります。事前に保健所にご確認ください)
  • 外国人登録証明書、住民票の写し(開設者が外国人の場合)

届出関係を保健所に持って行った際に、検査の日程を保健所の方と調整します。
そして、予定日に検査を受けましょう。

検査については、保健所職員や監視員が施設面積、構造設備等が施設基準に合致しているか検査します。

施設基準に問題がなければ、保健所から交付された確認書を受領することができます。

③税務署への届出(個人事業主の場合)

無事開業ができましたら、税務署へ開業の届出を行ないましょう。
届出には届出の期限が存在しているので、注意が必要です。

個人事業の開業届出・廃業届出等手続

事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき又は事業を廃止したときの手続です。(所得税法第229条)

個人事業の開業届出・廃業届出等手続

事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出しましょう。

なお、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。

所得税の青色申告承認申請書

個人事業主の確定申告には、特別控除がない白色申告と、税制上の優遇措置がある青色申告というやり方があります。

青色申告は帳簿の付け方により10万円控除か65万円控除(もしくは55万円控除)かを選択できます。

青色申告するためには、事前に管轄の税務署へ「あなたは青色申告をしてもいいですよ」という承認をもらう書類の届け出が必要です。これが「所得税の青色申告承認申請書」です。

青色申告を希望する場合は、青色申告をしようとしている年の3月15日まで(1月16日以降、開業の場合は事業を開始した日から2ヵ月以内)が提出期限です。

まずは上記2つの届出を済ませましょう。

他にも従業員などを雇入れてお給料を支払う場合や、納税地を店舗にする方法など、各種税務署への届出が存在するので注意が必要です。

まとめ

今回は、美容室・理容室の開業をされる際に必要な届出や手続きをスムーズに行うための解説でした。

最後に、その他の届出関係を一覧表にしておきますので、是非ご確認を!

申請先 届出名 提出期限
税務署 所得税の納税地の変更に関する届出書 店舗を変更してからすみやかに
労働基準監督署 保険関係成立届 従業員を雇う事業所を設置した日の翌日から起算して10日以内
概算保険料申告書 従業員と保険関係が成立した日の翌日から起算して 50 日以内
職業安定所(ハローワーク) 雇用保険適用事業所設置届 従業員を雇う事業所を設置した日の翌日から起算して10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 被保険者となる従業員を雇った日の属する月の翌月の10日まで

税務署への届出に関しては、専門家にお願いしておくことで、経理事務上の面倒な部分を省略できる届出を代行してくれたり、開業時に悩むことへのサポートも充実しています。

当社は、開業して頑張る美容師・理容師の皆さまを全力応援しております。
本来事業に専念できるようサポートを行ないます。
是非、開業される際はお気軽にご相談ください。

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