開業・起業時に多く利用されている創業融資制度を徹底解説
今回は、開業時・起業時に多く利用されている日本政策金融公庫の新創業融資制度について解説していきます。
設備投資の多い店舗ビジネスや、仕入や開発で費用がかさむ小売業等、開業・起業時にまとまった資金が必要になる事業は多くあると思います。
独立前に全ての資金が準備出来ている事業者はなかなか存在せず、多くの事業者は開業前から創業融資を借り入れるための準備をしています。
ここでは、事前に創業融資がどのようなものか、知って頂く為、記載していきます。
Contents
1.新創業融資はどこで借りることが出来る?
そもそも新創業融資はどこで借りる事が出来るのでしょうか。
一般的に借入金については、日本政策金融公庫または市中銀行にて借りる事が多いと思います。
今回解説する新創業融資は、日本政策金融公庫にて借入を行なうものです。
では、日本政策金融公庫はどこに店舗があるのでしょうか。
(1)日本政策金融公庫とは
日本政策公庫は平成20年10月1日に設立された組織です。前身としては国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫であり、歴史としては70年以上ある事業体となります。
支店数は全国152支店と地域経済と密接な関わりをもち、地域産業・社会の活性化に貢献するよう取り組まれています。
融資先件数は約120万先と、個人事業主から小規模事業者・中小企業へ幅広く融資を行なっており、日本経済の基盤を支える一部の役割ともいえるのではないでしょうか。
さらに、新型コロナウィルス感染症関連の融資実績は102万1,578件(令和4年3月末時点)と、多くの事業者が利用し、支えになった実績があります。
(2)対応地域について
日本政策金融公庫はどこに店舗があるのでしょうか。
実は日本全国に対応店舗があります。
しかし、どこの店舗でも受け付けてくれる訳ではありません。
法人の事業主であれば本店のある地域、個人事業主の方であれば納税地と地域ごとの対応されている店舗にて手続き申請を行なっていきます。
まずは、どこの店舗が対応か確認しておくといいでしょう。
下記のバナーは日本政策金融公庫の店舗案内のリンクになりますので、必要な方は検索してみてください。
2.新創業融資の概要
新創業融資は、日本政策金融公庫の中の「国民生活事業」において取り扱っている融資です。
開業・起業、スタートアップの事業者を支援するため、無担保・無保証人で利用をすることが出来る制度といえます。
新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象としています。
また、新創業融資制度だけでは利用できないので、他の融資制度との併用による利用となります。
ご利用いただける方 | 次のすべての要件に該当する方 【対象者の要件】 1.新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方 2.自己資金の要件 (1)新たに事業を始める方 (2)事業開始後税務申告を1期終えていない方 創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方 |
資金のお使いみち | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
融資限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
ご返済期間 | 併用する各融資制度に定めるご返済期間以内 |
利率(年) | 1.82%~3.10%(令和5年7月時点) |
担保・保証人 | 原則不要 ※原則、無担保無保証人の融資制度であり、代表者個人には責任が及ばないものとなっております。 法人のお客さまがご希望される場合は、代表者が連帯保証人となることも可能です。 その場合は利率が0.1%低減されます。 |
上記のような概要となりますが、一番のメリットとしては【無担保・無保証人】であることです。
開業時、経営に不安があったり、事業状況が不安定である事業者にとっては、リスクが軽減される融資制度といえるのではないでしょうか。
3.併用する融資とは
先ほど、新創業融資はその他の融資と併用しながら利用すると解説しました。
新創業融資だけでは、借入が出来ないため開業時に利用できるその他の融資と組み合わせます。
では想定される融資を見ていきましょう。
(1)新規開業資金
ご利用いただける方 | 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
資金のお使いみち | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
ご返済期間 | 設備資金20年以内/運転資金7年以内(据置期間2年以内) |
利率(年) | 基準利率(特別利率の要件あり) |
融資制度や利率の詳細については日本政策金融公庫の公式サイトをご確認ください。
(参照)日本政策金融公庫 新規開業資金ページ
(2)女性、若者/シニア起業家支援資金
ご利用いただける方 | 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方のうち、 女性または35歳未満か55歳以上の方 |
資金のお使いみち | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
ご返済期間 | 設備資金20年以内/運転資金7年以内(据置期間2年以内) |
利率(年) | 特別利率(要件あり) |
融資制度や利率の詳細については日本政策金融公庫の公式サイトをご確認ください。
(参照)日本政策金融公庫 女性、若者/シニア起業家支援資金ページ
4.創業計画書が必要
借りるべき融資が決まると、申し込みとなります。
申し込んで必ず借り入れができる訳ではなく、必ず審査があります。
その審査に必要になるのが、「創業計画書」です。
審査内容や項目は明らかにはなってはいませんが、融資の募集要項などから推測はできると思います。
申請内容によっては、審査は通っても融資希望額の満額を借り入れられる訳でもありません。ですので、創業計画書はきちんと整えて、審査を受けるようにしましょう。
日本政策金融公庫では、創業計画書のテンプレートが準備されています。また、業種ごとの参考になるように記入例も準備されていますので、確認しておくといいでしょう。
下記バナーで各種書式のダウンロードページにリンクできますので、必要な方は確認をしてみてください。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
まずは、融資制度の概要をご理解頂きながら計画書をきちんと整えて参りましょう。
借り入れる金額も、後の返済が厳しくならないか十分検討をする必要もあります。
事業でかかる必要経費関係もしっかりと洗い出しをし、審査へ向かっていきましょう。
創業計画書は意外と難しい部分も多いので、専門家にサポートを依頼するのも一つの手です。
弊社におきましても、お客様向けの融資サポートを行なっております。
是非、お気軽にお問い合わせください。