青色申告のメリットを受けよう
横浜みなとみらいの税理士法人エナリです。
勤め先から独立して、個人事業主でいざ開業!確定申告をしなくちゃいけないけど、青色申告とか白色申告とかって区分があるらしい・・・
今回は、青色申告について解説していきます。そもそも青色申告と白色申告って?
青色申告と白色申告
まずは、開業したら、税務署へ開業届を提出する際に一緒に青色申告の承認の申請をしましょう。後述しますが、所得金額などについて有利な扱いを得られます。
青色申告とは
我が国では、納税者が所得金額と税額を正しく計算して納税しましょう!という申告納税制度を採っています。
その上で、1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳して、それらで使った書類は保存しましょうね、とされています。
その中で、一定水準の記帳をして、正しい申告をする人については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられるようになるのが青色申告の制度です。ちなみにですが、青色申告をすることができる人は、不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。
白色申告とは
白色申告は簡易帳簿でよいとされており、複式帳簿と比べて比較的簡単に作成できます。確定申告の際も、確定申告書と収支内訳書、控除を証明する書類の提出で済みます。事前の手続きも不要です。
青色申告のメリット
最大65万円の控除を受けられる
複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付することで、最大65万円/55万円の青色申告特別控除が受けられます。通常の申告ですと、55万円控除ですが、e-Taxによる申告(電子申告)をすれば、65万円控除を受けられます。
複式簿記ではなく、単式簿記による記帳でも、損益計算書を添付した場合、最大10万円の控除が受けられます。
税金の対象である所得が控除されるため、大きな節税効果を得ることが出来ます。ただし、提出期限内に確定申告書を提出しなければ、最大65万円の控除を受けることはできません。
家族の給与を経費にできる
家族が仕事を手伝っている場合など、青色申告者と生計を一にしている15歳以上の配偶者や親族が、青色申告者の事業に専従して、その人に対して給与が支払われていれば、その給与を必要経費として算入することが可能です。ただし、事前に税務署へ提出する「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載されている金額の範囲内で、さらに「専従者の労務の対価として適正な金額である」と認められる必要があります。
逆を返すと、青色申告でないと家族の仕事の対価を経費にできません。白色申告の場合は、事業専従者控除の特例といった別の方法で経費への計上となります。
事業所得を得ている個人事業主やフリーランスであれば問題ありませんが、事業的規模ではない不動産貸付業を営み、不動産所得を得ている個人事業主は、青色事業専従者給与の特例が適用されません。また、青色事業専従者は、38万円の配偶者控除や扶養控除は受けられないので注意が必要です。もし、専従者給与が38万円よりも少ない場合は扶養控除を受けた方が所得金額を抑えられるので、得です。
赤字を3年間繰り越せる
個人事業に損失がある場合は、まず同一年の他の所得と通算し、それでも控除しきれない金額を翌年以降3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。また、前年も青色申告をしている場合は、損失額を前年分の所得金額に繰り戻して、所得税の還付を受けることが可能です。
純損失の繰り越しと繰り戻しを活用し、所得金額を少なくすることで、各年の税負担を減らすことができます。
減価償却の特例を受けられる
白色申告の場合、仕事で使うパソコンや車などの固定資産で10万円以上の物は、使用できる期間に応じた減価償却をしなければなりません。例えば20万円で購入したパソコンの場合、減価償却期間は4年なので、毎年5万円ずつを経費として計上します。すべての経費を計上し終えるのは4年後です。
しかし青色申告の場合、30万円未満の物であれば一括で全額経費とすることも可能です。(もちろん固定資産に計上して、減価償却をすることも可能。)全額経費計上できるという事は、購入したその年の所得金額を減らすことができ、結果的に所得税を抑えることができますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
青色申告と白色申告では、受けられるメリットが大きく違うことがお分かり頂けたと思います。複式簿記で帳簿をつくるのは、「簿記」の仕訳を知っていないとなかなか帳簿をつくるのは難しいです。そこで役立つのが、会計ソフト。今ではクラウドで扱える「マネーフォワードクラウド」や、「freee」など、比較的簡単に利用できるものもあります。ただ、65万円控除を受けるために電子申告をするのはなかなかハードルも高くなります。10万円分多い控除を受けられるなら税理士に依頼するものアリとお感じになられた方は、専門家にご依頼するものいいですね。